ハラゴメカエルのできるまで

ハラゴメカエルは、子供の頃にカエルのぬいぐるみと枕を肌身離さず持って歩いていた作者が、数年前、家にあった古い着物の端切れとお米を使って、自分の楽しみ用に作ったのが始まりです。
以来、作者の家では、家族同様に扱われています。

あまりに年中触っているため、数カ月で布がやぶれてしまうのですが、その度に布を替え、中のお米はずっと受け継いで来ました。
その世襲制とも言えるハラゴメカエルを他と区別するべく、本けろ(もとけろ)と呼び、展示・販売用の他のハラゴメカエルにも、全てこの本けろのお米を少しずつ入れて作っています。

そんなわけで、ハラゴメカエルは沢山いますが、全員、ちゃんと血がつながっているのです。
どうか皆さんのお家にいるけろのことも可愛がってやって下さい。


ハラゴメカエルの正しい作り方

材料 家にある着物の端切れ
家にあるお米
フェルト
本けろ(もとけろ)の米、数粒

1 型紙を作ります。厚紙にかわいいカエルを描きましょう。カエルを描き慣れている人は、布に直描きでもかまいません。

2 切り抜いた型紙の形を、チャコペンで布の裏側に写します。

3 型を無視して、大きめに布を切ります。大きめに切るのは、あとで、縫いしろがたりなくなって泣くことがよくあるからです。

4 マチ針で布をとめたら、ぐるりと周りを仮縫いします。ざっくりいきましょう、ざっくり。

5 写した型にそって、向かって右の足から、丹念に縫います。カエルの輪郭をなぞるって、すてきですね。縫い目が粗いと米がこぼれますから、ここはきっちり縫って下さい。

6 左の足の方まで縫ったら、糸にこぶを作って止めます。周りの余分な部分をピンキング鋏で切り取り、手足や首のつけねに、布がつらないよう、切り込みを入れておきます。

7 布を裏返して、形を整えます。手足などの細い部分はうまく裏返せないので、耳かきを使うことをおすすめします。

8 米を詰める前に『分け米の儀(わけごめのぎ)』を行って下さい。本けろ(もとけろ)の米を数粒入れながら、『奉納の歌』を歌います。歌詞は、以下の通りです。

け〜ろけ〜ろの〜、かみさまは(ハイ)
け〜ろけ〜ろが〜、だいすきで(ハイ)

カッコの中は合いの手です。ご家族にお願いして下さい。

9 無事、儀式が終ったら、お家にある米を適量、入れます。自分で触って気持ちのいいところまで入れて下さい。

10 布の開いている部分をかがります。

11 フェルトで目とお口を作ります。最後の仕上げです。納得がいくまで作りこんで下さい。ポイントは、上目遣いと楽しそうな口元です。

12 目と口を木工用ボンドでお顔につけましょう。

13 その瞬間、自分の中に愛しさが込み上げてきたら、出来上がりです。よかったですね。